風間・三科法律事務所

生徒指導提要の改訂試案を読んで

文部科学省から、生徒指導提要の改訂試案が出ていましたので、ざっと読みました。

文部科学省の資料のリンクは以下です。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/168/siryo/1422639_00010.htm

改訂試案の直リンクは以下(PDFです)。
https://www.mext.go.jp/content/20220329-mxt_jidou02-000021006-003.pdf

おおよそ10年ぶりの改訂になりますので、時代の変化を反映したものとなっています。
その中でも、弁護士・法務関係の指摘について見ていきたいと思います。


○スクールロイヤー・法務相談体制の構築(85頁)

スクールロイヤー、法務相談体制の構築について、自治体ごとに様々な対応が取りうる旨記載されており、それはそのとおりです。
個人的な感覚で言えば、学校から直接相談をするケースよりも、基本的に教育委員会を通じた方が、情報の整理がなされていいのではないかと思います。

以前にも書いたことがありますが(詳細は下記リンク)、自治体にはすでに顧問弁護士がいることが多いわけですが、自治体の業務は広汎であり、どんどん専門性を増してきています。そういった状況に対応するため、部ごとに異なる弁護士を抱える自治体も散見されます。


教育分野でもいじめ防止対策推進法等の法や文科省から出される通達関係、また新型コロナウイルス対応・保護者対応、またいじめ事案(特に重大事態)が発生すれば第三者委員会の立ち上げもあり、単独の顧問弁護士がそこまでフォローできるかというとなかなか難しいのではないかと思われます。
ですので、ここに書かれているスクールロイヤー、法務相談体制の構築は、上記のような課題に対応するため、自治体の責務として求められているものであると思います。


○未然防止教育における連携(116頁)

ここでは、非行防止教育、薬物乱用防止教育、人権教育、法教育の4つが例示として挙げられています。
例示ですので、ここにとどまらないわけですが、弁護士として求められる役割だと思います。


○学校での認知

すでに記しているように今回の改訂は約10年ぶりです。また、児童の権利に関する条約等新しい指摘もあり学校の先生方がフォローすべき内容がたくさん盛り込まれています。また単純にボリュームも200頁を超えていることからすれば、この新しい生徒指導提要が学校の先生方の「常識」になるまでは、時間がかかるのではないかと思います。
学校をサポートする弁護士としても、確定版が出ましたら精読したいと考えています。

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